外国人の方が、日本で生活するためには国が定めた「在留資格」が必要です。日本に入国する外国人は、原則として、入管法(出入国管理及び難民認定法の略)に定める「在留資格」を有する必要があります。
例えば、日本の会社が、中国の現地法人に勤務中のコンピューター技術者を日本に転勤させたい場合、中国人のコンピューター技術者は日本に在留(在住)していませんし、日本の在留資格を持っていないので、新たに在留資格を取得する必要があります。
このような場合には、「企業内転勤」の「在留資格認定証明書」の交付審申請を行うことになります。
「在留資格認定証明書(COE:Certificate of Eligibility)」とは、日本に入国しようとする長期滞在を希望する外国人が、日本で行おうとする活動内容がいずれかの在留資格(「短期滞在」及び「永住者」を除く)に該当するものである等の上陸のための条件に適合していることを証明するために、法務大臣が事前に審査を行い、条件に適合する場合に交付される文書のことを言います。
在留資格認定証明書は、入国審査手続きの簡易・迅速化と効率化を図ることを目的としています。
在留資格認定証明書を日本国大使館または領事館に提示してビザの発給を申請した場合、在留資格に関する上陸のための条件について法務大臣による事前審査を終えているものとして扱われるため、比較的迅速にビザが発給されます。
また、入国時に在留資格認定証明書を提示した外国人は、入国審査官から在留資格に関する上陸条件に適合する者として扱われるため、「上陸審査」も簡易で迅速に行われます。
根拠法は、出入国管理及び難民認定法の以下の条文です。
出入国管理及び難民認定法第7条の2
法務大臣は、法務省令で定めるところにより、本邦に上陸しようとする外国人(本邦において別表第一の三の表の短期滞在の項の下欄に掲げる活動を行おうとする者を除く。)から、あらかじめ申請があつたときは、当該外国人が前条第1項第2号に掲げる条件に適合している旨の証明書(以下「在留資格認定証明書」という。)を交付することができる。
日本に入国を希望する外国人です(短期滞在を目的とする者を除きます。)。
入国以前に交付を受けることができるように、余裕をもって申請書類を提出する必要があります。
在留資格認定証明書の審査期間は、在留資格によっても異なりますが、2~3か月かかりますので、逆算して申請時期の目安とします。 在留審査処理期間(日数)の例
1.申請人本人(日本への入国を希望する外国人本人)
2.当該外国人を受け入れようとする機関の職員その他法務省令で定める代理人
3.次の(1)~(3)のいずれかの申請取次者等(ただし、上記1又は2の方が、日本に滞在している場合のみ)(1)外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員で地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの
(2)地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士
(3)申請人本人の法定代理人
居住予定地・受入機関の所在地を管轄する地方出入国在留管理官署
3か月間。この期限内に日本に上陸申請しなければ無効となるため、スケジュール等に注意が必要です。
以上の手続きをフロー図にすると以下のようになります。
①代理人等 ⇒ ②地方入国管理局 ⇒ ③代理人等 ⇒ ④申請人 ⇒ ⑤在外公館
(証明書交付申請) (証明書) (証明書送付) (査証申請)
⇒ ⑥申請人 ⇒ ⑦出入国港
(査証発給) (上陸申請) (上陸許可)