当事務所では、相続財産や相続人の範囲の確定や、遺産分割協議など複雑な相続手続きのお手伝いをいたします。
相続とは、亡くなった方の財産に属した権利や義務を相続人が引き継ぐことです。
相続財産は相続人全員の共有となり、各相続人が民法で定められている法定相続分に応じて権利義務を引き継ぎます。
遺言があれば遺言に従い、遺言が無ければ相続人全員の協議に従い、亡くなった方の財産を、それぞれ特定の相続人に名義変更します。
相続に関する手続きは、相続人の特定から始まりますが、そのためには戸籍収集等が必要です。
全てを集めるためには時間と労力がかかり、収集に不備があると手続きのやり直しが必要となってしまう場合もあります。
相続人の特定からはじまり、財産の解約・分配と亡くなった方からその相続人へ財産を引き継ぐ手続きのサポートをいたします。
①相続人調査(戸籍収集)
②「相続関係説明図(相関図)」の作成
③「法定相続情報一覧図」の取得
④相続手続きに必要な書類の収集
⑤財産目録の作成
⑤遺産分割協議書の作成
⑦各種財産の名義変更
※不動産登記のための書類の代行はいたしますが、登記業務自体は当事務所では扱っていませんので、別途司法書士に依頼のための実費が必要です。
時間経過の目安 |
戸籍・相続の手続き |
保険・年金・税金関係の手続き |
---|---|---|
7日以内 |
死亡診断書の受取り |
|
死亡届の提出・埋葬許可の申請 |
||
14日以内 |
健康保険の資格喪失届け出 |
|
49日法要まで |
戸籍謄本・住民票・印鑑証明書の入手 |
葬祭費の申請 |
電気・ガス・水道などの手続き |
高額医療費の支給の申請 |
|
運転免許証・カードなどの返却 |
未支給の年金の請求 |
|
遺族年金などの請求 |
||
死亡一時金の請求 |
||
生命保険の死亡保険金の請求 |
||
3か月以内 |
遺言書の確認 |
|
遺言書の検認の申し立て |
||
相続人の確認 |
||
相続財産の確認 |
||
4か月以内 |
故人の所得税の申告・納税 |
|
遺産分割協議書の作成 |
||
10か月以内 |
||
相続財産の名義変更(不動産登記等) |
相続税の申告・納税 |
|
2年以内 |
葬祭費、埋葬料の支給申請 | 高額医療費の請求申請 |
小規模宅地等の特例
身寄りが「いとこ」しかいない方の相続
親子間の使用貸借と贈与税・相続税
固定資産税通知書で大体分かる自宅の相続税評価額
貸宅地の評価
土地・建物の固定資産税評価と相続税評価
新民法:相続法の改正内容をざっくり解説
相続人調査の方法(遺産整理業務1)
ややこしい「相続関係説明図」と「法定相続情報一覧図」の差(遺産整理業務2)
相続財産の評価方法:相続人間の合意で決められます。
具体的相続分:生前贈与を受けた相続人の相続分の計算法は?
相続人の1人が認知症の場合(家族信託)
相続税の計算ってどうする
相続開始⇒預金口座凍結⇒さあどうする
相続問題 よくある質問と回答
空家の相続 譲渡で3000万円控除の特例
相続した土地の行方を探る方法と相続放棄の注意点
相続Q&A 「相続登記」について教えてください
胎児の相続権と特別代理人
上場株式の相続手続き
相続対策に効果的な手段である生命保険
戸籍の取り方
改正原戸籍(かいせいはらこせき)とは
遺留分 | 特別受益となる生前贈与が相続10年以内に限定されたのは何故
死因贈与と遺贈の違い
相続税計算用エクセル DLリンク付き
相続財産の調査方法
相続土地国庫帰属制度
山林も相続土地国庫帰属法の対象
韓国籍の方の相続と遺言
韓国の民法(相続ルール)について
判例変更|相続預金の払戻し請求に銀行が慎重姿勢に
空家の相続 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
ネット証券に口座を持っている方が亡くなったとき
何かと複雑な相続の疑問にお答えいたします。
相続手続きでは、相続人と相続財産の範囲の確定が必要です。
相続人の範囲を確定するためには、亡くなった人の出生から死亡までの戸籍の調査が必要です。市区長村の窓口で相談しましょう。生前に養子縁組をした養子、認知した子供等も相続人です。
相続人は、相続によって被相続人のすべての財産や権利や義務を受け継ぐことになります。
したがって、預貯金、貸付金、有価証券、不動産、貴金属、著作権など金銭に見積もることのできるものすべてが含まれます。借金などのマイナスの財産も含まれます。
死亡した人の配偶者は常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人になります。
<第1順位>
死亡した人の子供
<第2順位>
死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
<第2順位>
死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)
法定相続分は次のとおりです。
なお、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分けます。
また、民法に定める法定相続分は、相続人の間で遺産分割の合意ができなかったときの遺産の持分であり、必ずこの相続分で遺産の分割をしなければならないわけではありません。
<配偶者と子供が相続人である場合>
配偶者2分の1 子供(2人以上のときは全員で)2分の1
<配偶者と直系尊属が相続人である場合>
配偶者3分の2 直系尊属(2人以上のときは全員で)3分の1
<配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合>
配偶者4分の3 兄弟姉妹(2人以上のときは全員で)4分の1
代襲相続とは、被相続人(死亡した人)よりも先に相続人となるべき人が死亡している場合に、相続人の子どもが代わりに相続人になることです。
子どもや孫などの直系卑属が死亡した場合は何代まででも代襲相続が起こりますが、兄弟姉妹が死亡した場合は一代限りです。このため、甥姪も先に死亡している場合、甥や姪の子どもは代襲相続人になりません。
相続は、プラスの財産もマイナスの財産も全体として引き継がなければなりません。マイナスの財産が多くて、相続する経済的メリットがない場合は、相続放棄をできます。
相続放棄は、相続が開始したことを知ってから3か月以内に、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申述書を提出し、それが受理されることによって認められます。相続財産の一部でも使ってしまうと相続放棄はできません。
また、プラスの財産の範囲でマイナスの財産を引き継ぐ限定承認という制度もあります。これらの手続きは専門家に相談しながら慎重に判断し進めることが必要となります。
遺産をどのように分けるかを話し合うことが、遺産分割協議です。遺産分割協議は、相続人全員の参加が必要です。遺産分割協議で合意した内容をまとめた書類を遺産分割協議書と言います。
ただし、遺言書の内容どおりに遺産分割する場合や、法定相続分どおりに遺産分割を行う場合は、遺産分割協議書を作成する必要はありません。
逆に、遺産分割協議書が必須なのは次のような場合です。
・遺言書がなく法定相続分とは異なる遺産分割を行う場合
・遺言書に記載がない財産が発覚した場合
遺言書がない場合で、法定相続人同士の協議がまとまらない場合には、「遺産分割調停」という裁判所が間に入る話し合いが考えれます。裁判所という第三者が入ることで、問題点を整理して冷静に話し合いが進むことが期待できます。この調停では,申立人が複数でも構いませんが,申立人以外の相続人全員を相手方としなければなりません。
話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には,自動的に審判手続が開始され,裁判官が,双方からお聴きした事情や提出された資料等一切の事情を考慮して,審判をします。
調停も審判も一定のルールがあります。手続きは家庭裁判所の窓口、法律的判断は専門家や市区町村の無料法律相談等にお尋ねください。
「寄与分」とは、被相続人の財産の維持や増加に特別の貢献をした相続人に対し、遺産分割で決定した相続分に加えて、貢献の度合いに応じた相続分をプラスすることができる制度です(民法904条の2)。
寄与分が認められるのは法定相続人だけですが、民法改正で、相続人以外の親族が、亡くなった方に多大の貢献があった場合に、相続人に、貢献に応じた金銭(特別寄与料)を請求できる制度(特別寄与料)ができました。
ただし、親子間などの親族間では法律上一定の扶養義務が、また夫婦間には扶助義務がありますので、一般的な貢献では特別な寄与とは言えません。
特別受益とは、遺贈(遺言によって、遺言者の財産を無償で譲渡すること)や相続人に対する一定の条件を満たす生前贈与をいいます。
たとえば、亡くなった方が生前に、特定の相続人に、婚姻の支度金や、住宅購入の援助金として生前贈与した財産などがこれに当たります。このような特別な経済的利益を得た相続人を特別受益者といいます。
この場合には、相続開始の際の財産にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、それを基礎として算出した相続分から受益額を控除したものが、その特別受益者の相続分となります(民法903条)。
特別受益の評価基準時は、民法には規定はありませんが、実務は特別受益の評価基準時として、相続開始時を採用していると言われています。
生命保険は、受取人固有の財産であって、相続財産ではないので、相続放棄をしても生命保険は受け取れます。
ただし、以下の場合は別となります。
1.受取人が「相続人」となっている場合。 この場合は、契約の意図や個別の契約内容によります。
2.満期金の受取が被相続人自身となっている場合。この場合は、相続財産になります。