「永住者」の在留資格には、在留活動に制限はなく、在留期間にも制限もありません。そのため永住許可の審査は、慎重に行なわれます。
在留資格を有する外国人で、在留資格の変更を希望する者または、出生等により在留資格の取得を希望する外国人が、永住者の在留資格への変更または永住者の在留資格の取得を希望する場合に行う申請です。
永住者の在留資格は通常の在留資格の変更よりも慎重に審査する必要から、一般の在留資格変更手続とは別個の手続きが設けられています。
一般的な在留資格には定められた在留期間がありますので、その都度期間更新手続きが必要です。
一方、「永住者」は無期限の資格ですので、在留期間の更新手続きは不要です。
「技術・人文・国際業務」「」などの在留資格では、その在留資格に該当する就労しかできません。一方、「永住者」には就労制限がないため、日本の法律に反しない、どのような就労も会社経営も行なうことができます。会社経営については、資本金や事務所の制限がなくなります。
「技術・人文・国際業務」などの在留資格の配偶者やお子様は「家族滞在」の資格を取得する必要があります。「家族滞在」では資格外活動の許可を得たうえで、週28時間以内でのアルバイトしかできません。
一方、「永住者」の配偶者や日本で生まれたお子様については「永住者の配偶者等」という「身分に基づく在留資格」になるため、就労制限が亡くなりますので、日本での職業選択の幅が広がります。
通常の在留資格では、日本に長く住める保証がないために、財形住宅融資などの公的融資の利用を除くと、民間住宅ローンなどでは長期的な融資が得にくくなります。一方、「永住者」は安定した資格であるため、民間住宅ローンなどの融資が組みやすくなります。
「永住者」資格を持っていれば、死別や離婚をしても資格が取り消されることはありません。そのまま「永住者」として日本で暮らすことができます。
「永住者」となっても、注意しなければいけないことがあります。例えば、再入国許可を取得しないで出国した場合や再入国許可の期限を守らなかった場合には「永住者」を失います。また、「永住者」でも在留資格には違いはないため、退去強制事由(入管法24)や在留資格取消事由(法22の4-I)に該当すると、退去強制や資格取消となります。さらに、住居地等の変更届出義務(法19の11)や在留カードの有効期間(7年)の更新義務(法19の11)があります。
具体的には、前科・納税・年金などについて、懸念が無いことです。
前科または少年法による保護処分がないこと、納税義務を果たしていること、重大な道路交通法の違反が無いことなどが求められます。
さらに、日常生活でも住民として良好な社会生活を営んでいることが必要となります。
日常生活において公共の負担となっていないこと、かつ、その有する資産または技能等からみて将来において安定した生活が見込まれることをいいます。これは、申請人自身に備わっていなくとも、配偶者等とともに構成する世帯単位で見た場合に安定した生活が継続できると認められる場合はこの要件を満たしているものとされます。また、必ずしも収入だけで判断されません。例えば、世帯単位での預貯金、不動産等の一定の資産を持っているとプラスに評価されて要件に適合するものと扱われます。
年収の目安は、独身者の場合は、安定的に、過去3年間ともに、300万円以上の収入が毎年安定的にあることです。扶養家族が1名増えるごとに、この金額は80万円程度加算されます。貯金も100万円以上あることが望ましいとされます。
この判断は、国土の条件、人口の動向等日本社会の外国人受入れ能力、出入国管理を取りまく内外の諸情勢その他あらゆる事情を勘案して行われるもので、永住の許可を与える否かについては、法務大臣の広範な裁量が認められることになります。
ただし,この期間のうち,就労資格(在留資格「技能実習」および「特定技能1号」を除く。)または居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。
公的義務(納税,公的年金および公的医療保険の保険料の納付ならびに出入国管理および難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること
(当面は、在留期間「3年」を有すれば良いされます。下記※※参照)
(注)入管法ホームページの永住許可に関するガイドライン(令和元年5月31日改定)では以下の規程があります。
※ 日本人、永住者または特別永住者の配偶者または子である場合には、(1)素行善良要件、および(2)独立生計要件に適合することを要しない。また,難民の認定を受けている者の場合には、(2)独立生計要件に適合することを要しない。
※※ 当面、在留期間「3年」を有する場合は、前記1(3)ウの「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととする。
(1)日本人,永住者および特別永住者の配偶者の場合,実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し,かつ,引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること
(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること
(3)難民の認定を受けた者の場合,認定後5年以上継続して本邦に在留していること
(4)外交,社会,経済,文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で,5年以上本邦に在留していること
※「我が国への貢献」に関するガイドラインを参照して下さい。
(5)地域再生法5条16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において,特定告示36号または37号のいずれかに該当する活動を行い,当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合,3年以上継続して本邦に在留していること
(6)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として3年以上継続して本邦に在留していること。
イ 3年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められること。
(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって,次のいずれかに該当するもの
ア 「高度人材外国人」として1年以上継続して本邦に在留していること。
イ 1年以上継続して本邦に在留している者で,永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められること。
「永住者」の在留資格に該当していることを証明する立証責任は申請者にあります。書類の取りそろえと、ポイントを押さえた理由書の記載が何よりも重要です。行政書士は過去の事例と最近の動向を把握したうえで、プロとして申請書類の作成をお手伝いしますので、許可取得の確率が高くなります。
「永住者」の在留資格取得には、現在の在留資格や生活状況に応じて異なる書類の取り揃えが必要となります。これらの作業を要領よく行ない、独力で申請を行なうのはかなりの時間がかかります。専門の行政書士にお任せ頂ければ、大事なお仕事や家族との時間を有効に使うことができます。
永住許可申請に関して分からないことや判断に迷うことがあっても、専門知識のある行政書士に気軽にご相談いただけるので、ストレスが軽減されます。
「永住者」の在留資格を取得された後でも、日本の法制度や社会生活上の疑問などについて専門家のアドバイスが欲しいときなど、街の法律家である行政書士を頼っていただくことができます。
当事務所は、お客様ごとに適切な取得、取得後のサポートまで行います。お気軽に当事務所にご相談ください。