2025年11月ニュース
行政書士業務関連の2025年10月のニュースです。

2025年11月ニュース

2026年度に在留資格と査証の手数料大幅引き上げ予定

2025年11月21日閣議決定された「総合経済対策」で、2026年度中に在留資格(Status of Residence)と査証(VISA)の手数料を引き上げることが明記されました。



2026 年度中に主要国の水準や応益的要素等を考慮して在留関係手数料及び査証手数料の在り方を見直して引上げを実施することなどにより、増加する外国人の適正かつ円滑な受入れ、共生社会の実現に向けた受入環境整備、領事活動・外交実施体制の整備など、外国人との秩序ある共生社会の推進に向けた取組を強化する。」(総合経済政策 別紙 21頁(5)外国人問題への対応の強化)


在留資格手数料は、出入国在留管理庁の所管、査証の手数料は、外務省の所管となります。


1. 在留資格関係の手数料の値上げ案

現時点で「出入国在留管理庁(入管)」などの公式サイトで「正式な決定事項」としてのプレスリリースはまだ出ていません。
ただし、政府の会議(閣僚会議など)や経済対策の検討プロセスにおいて、具体的な案が浮上しています。現状判明している公的な動きと内容は以下の通りです。
現在の入管法では手数料の上限が1万円と定められているため、引き上げには法改正が必要です。政府は2026年の通常国会に改正案を提出する方針です。


手続きの種類現行手数料(2025年4月〜 ※2025年3月31日までの受付した申請は改定前料金)

手続きの種類 現行手数料(2025年4月〜) 大幅引き上げ案(2027年度目処)
在留期間更新・資格変更

6,000円(窓口) / 5,500円(電子)
※改定前 4,000円

3万円 ~ 4万円程度
永申請住許可

10,000円
※改定前 8,000円

10万円以上


引き上げの理由:
  欧米主要国の水準(数万〜十数万円)に合わせること、および急増する在留外国人の支援体制(日本語教育や相談窓口)や不法滞在対策の財源確保が目的とされています。


 今後のスケジュール(予測):
公式なリリースが出るタイミングは、以下のステップに沿うと考えられます。
2026年初頭:
  通常国会に「入管法改正案」が提出される。
2026年中:
 改正案が可決・成立。
2026年後半〜2027年:
 出入国在留管理庁から、具体的な施行日と新料金が正式にプレスリリースされる。


このように、在留資格関係の手数料は、「検討段階」ではありますが、方向性はほぼ固まっていると報じられています。特に永住権の申請を考えている方は、10倍以上の負担増になる可能性があるため、法改正の動向(2026年国会)を注視しておく必要があります。


2.査証の手数料の値上げ案

査証(英語ではVISA(ビザ))とは、渡航先の国に事前に申請し、審査を経て発行される「入国許可証」ともいえるものです。


現行の日本のビザ手数料は訪日するたびに取得が必要な「一次ビザ」が約3,000円、有効期間内に複数回入国ができる「数次ビザ」が約6,000円です。1978年以降、日本は一度も値上げをしていません。これを欧米先進国並みの水準にするというのが政府の方針です。


政府が公表した2026年度予算案資料には、外国人施策について次のような記載があります。


外国人施策等(手数料等引上げ+予算増(R7当初比+1,320億円))
- オーバーツーリズム対策
- 出入国在留管理適正化
- 領事活動強化 等
- 補正計上が常態化している関連施策の当初予算化


一部報道では、査証手数料は現在の5倍程度になる見込みとのことです。今後の報道が注目されます。

行政書士法第19条第1項及び第23条の3の改正の趣旨等

行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号。以下「改正法」という。)が令和7年6月13日に公布され、令和8年1月1日から施行されます。
改正は大きく言って5点(2025年6月のニュースご参照)ありますが、中でも次の2点が、実務に与える影響が大きいと言われています。


第19条第1項(業務の制限規定の趣旨の明確化)

行政書士法第19条「業務の制限」

【現在】 行政書士又は行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない。
【2026年1月〜】行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。


⇒この法文改正により、行政書士以外の方が、「コンサルタント料・手数料」として補助金申請の報酬を受け取ったり、車庫証明や自動車登録を代行したりすることが「違法」であることが明記されたと理解されています。


第23条の3(両罰規定の整備)

行政書士又は行政書士法人でない者による業務の制限違反及び名称の使用制限違反に対する罰則並びに行政書士法人による義務違反に対する罰則について、両罰規定が整備されました。
 「第二十三条の三 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第二十一条の二(業務の制限違反)、第二十二条の四(名称の使用制限違反)……の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。


日本行政書士連合会の会長談話が発表される

2025年11月1日に、行政書士法改正の趣旨につき、日本行政書士会連合会会長による談話が発表されました。
 <内容抜粋>
 改正法により法第19条第1項の行政書士又は行政書士法人でない者による業務の制限規定に、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言が加えられました。
 

 この改正は、コロナ禍において、行政書士又は行政書士法人でない者が給付金等の代理申請を行い、多額の報酬を受け取っていた事例が散見されたことから、「会費」、「手数料」、「コンサルタント料」、「商品代金」等のどのような名目であっても、対価を受領し、業として官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類、実地調査に基づく図面類を作成することは、法第19条第1項に違反することが明確化されたもので、これらは現行法においても変わりはなく、改正法の施行日前であってもこうした行為があれば同条に違反することになります。
 次に、改正法により法第23条の3の両罰規定に、行政書士又は行政書士法人でない者による法第19条第1項の業務の制限違反に対する罰則が加えられ、違反行為者が罰せられることはもとより、その者が所属する法人に対しても百万円以下の罰金刑が科せられることとされました。


 当会といたしましては、これらの改正趣旨を踏まえ、行政書士又は行政書士法人でない者による違反事案に対して、関係機関とも連携のうえ厳正に対処し、もって国民の権利利益の実現に資することとしております。