
宅建業免許における事務所の要件について
宅地建物取引業(以下「宅建業」)の免許を取得するには、事務所が法律で定められた要件を満たしている必要があります。ここでは、東京都の「宅地建物取引業免許申請の手引(令和7年3月版)」に基づき、事務所の要件について解説します。
宅建業法第3条第1項では、事務所を「本店、支店その他の政令で定めるもの」と規定しています。政令では、次の二つを事務所として定めています。
1-1-1. 法人が商人の場合
商業登記(履歴事項全部証明書)に本店または支店として登記されているものが該当します。
なお、本店で実際に宅建業を営まない場合でも、支店で宅建業を営んでいれば、本店も事務所として扱われます。この場合、本店にも営業保証金の供託と専任の宅地建物取引士の設置が必要になります。
また、支店として登記されていても、その支店で宅建業を行わない場合は、事務所としては扱われません。
1-1-2. 法人が商人以外の場合
協同組合や公益法人などは、各法律で「主たる事務所」または「従たる事務所」として取り扱われるものが該当します。
支店登記がなくても、次の条件を満たす場所は事務所として扱われます。
継続的に業務を行うことができる施設を有する場所
宅建業に係る契約を締結する権限を有する使用人(政令使用人)を置いている
このような場所は、支店としての名称がなくても従たる事務所として取り扱われます。名称の例としては、「○○営業所」「○○店」「○○出張所」「○○事務所」などがあります。
事務所として認められるには、物理的にも社会通念上も独立した業務を行いうる機能をもつ事務所として認識できる程度の形態を備えている必要があります。
物理的に宅建業の業務を継続的に行える機能を持っていること
社会通念上、事務所として認識される程度の独立した形態を備えていること
その場所を使用する権原(使用する正当な権利)を有していること
事務所内には、次の設備が必要です。
対面可能な応接セット(執務場所と明確に区別されていること)
従事する人数分の机・椅子を含む執務場所
固定電話(開通済み)
テント張りの案内所など、移動の容易な施設は事務所として認められません。
次のような場合は、原則として事務所として認められません。
一般の戸建て住宅またはマンション等の集合住宅の一室(一部)を事務所として使用することは、原則として認められていません。
一つの事務所を他の法人等と使用することも、原則として認められていません。
仮設の建築物を事務所とすることは認められません。
物理的な専有スペースがないバーチャルオフィスは、事務所として認められません。
ただし、上記のような場合でも、一定の条件を満たせば認められる可能性があります。その場合は、事前に平面図等を持参の上、東京都の窓口に相談する必要があります(当事務所で代行可能です)。
他の法人等と事務所を共用する場合、次の要件をすべて満たす必要があります。
各社ともに出入口が別にあり、他社の事務所の専用部分を通ることなく出入りができること。
各社の間には、高さ180cm以上のパーテーションなど不透明かつ固定式の間仕切りがあり、相互に独立していること。
共用部分に業務用の共用物(例えば、共用のオフィス機器や他の法人等の商品など)を置くことは、原則として認められません。
フロア全体が分かる平面図を添付し、各社の専用部分・共用部分をマーカー等で着色して明示し、各社の名称を記入する必要があります。
なお、このような場合は事前の相談が必要です。
住宅の一部を事務所として使用する場合、次の要件をすべて満たす必要があります。
原則として、住宅の出入口以外の事務所専用の出入口があること。
事務所専用の出入口がない場合は、玄関から事務所に他の部屋を通らずに行けること。
他の部屋とは壁で間仕切りされていること。
居室や台所を通らないと事務所に行けない、または事務所を通らないと他の部屋に行けない構造は認められません。
内部が事務所としての形態を整えており、専ら事務所の用途にのみ使用していること。
なお、住宅の一部を事務所とする場合も事前の相談が必要です。その際、住宅全体の間取り図を添付する必要があります。
事務所として使用する場所について、継続的に使用する正当な権利があることを証明する書面の提出が必要です。
賃貸借契約書において、使用目的が「事務所」または「店舗」となっていることが必要です。
使用目的が「住宅」となっている場合は、所有者等からの使用承諾書が必要になります。
契約者名義は、法人申請の場合は当該法人名義、個人申請の場合は申請者本人名義である必要があります。
事務所は、永続性のある権原に基づき設置されていることが求められます。
免許申請時には、事務所に関する次の書類を提出します。
申請受付日から3か月以内に撮影した写真が必要です。
7-1-1. 必要な写真
事務所の外部を写したもの(全景が分かるもの)で、事務所の案内板および事務所の入口部分が写っているもの
事務所内部(数室にわたる場合は中枢部)の執務、接客スペース等の状況が確認できるもの
事務所がビル内に所在する場合、建物の入口またはエレベーターホール等の事務所の案内板ならびに申請者の名称、事務所の名称を明記した事務所の入口を写したもの
7-1-2. 撮影時の注意点
ブラインド・カーテン等は開けた状態で撮影してください。また、不要な個人情報等(例えば、事務所写真への顧客情報の写り込みなど)が記載されないよう注意してください。
フロア全体が分かる平面図または住宅全体の間取り図を添付します。
写真には番号を付け、間取り図等にその番号と撮影した方向を矢印で記入してください。
事務所の所在地を明記したもので、最寄りの交通機関、公共・公益施設等目印となるものの位置・方位等を明示した概略図を添付します。
住宅地図の写しに事務所の所在地を明示したものでも構いません。
賃貸借契約書や使用承諾書など、事務所として使用する権原を証明する書面を添付します。
事務所の形態が上記の要件を満たすか判断が難しい場合は、平面図等を持参の上、事前に相談することをお勧めします。
東京都住宅政策本部 民間住宅部 不動産業課
電話:03-5320-5075(免許担当)
受付時間:月〜金曜日 9:00〜17:00(祝日を除く)
宅建業免許における事務所の要件は、次の点を満たす必要があります。
・物理的にも社会通念上も独立した事務所として認識できる形態
・継続的に業務を行える施設
・必要な設備(固定電話、机・椅子、応接セット)の設置
・使用する正当な権利(使用権原)があること
・自宅の一部や他社との共用などの場合は、追加の要件を満たし、事前の相談が必要になります。
なお、本記事は令和7年3月時点の東京都の手引に基づいています。法令や運用は変更される可能性がありますので、申請前に必ず最新の情報をご確認ください。
東京都「宅地建物取引業免許申請の手引」(令和7年3月版)
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